1. はじめに|農業は“儲からない”って本当?

「農業って儲からないんでしょ?」
そう思っている方は、まだまだ多いかもしれません。
たしかに、かつての農業は天候や市場価格に左右されやすく、利益を出すのが難しい“再現性の低い商売”とされてきました。
しかし今、状況は大きく変わりつつあります。
高付加価値な作物に特化したり、ブランド化や6次産業化を進めたり、直販やECで中間コストを削減したりと、“戦略的に儲ける農業”を実現している人が増えてきているのです。
農業は、自然を相手にする仕事であると同時に、アイデア次第で収益を生み出せるビジネスでもあります。
「作って終わり」ではなく、「どう売るか」「どこで売るか」「誰に届けるか」まで設計できるようになった今こそ、農業は“儲かる仕事”に進化しています。
本記事では、儲かる農業の具体例をランキング形式で紹介しながら、高収益を生み出すための考え方や経営手法も併せて解説します。
「どうせ農業なんて…」と思っていた方も、「やり方次第でこんなに違うんだ」と思っていただけるはずです。
2. 儲かる農業ランキング【作物編】
「どんな作物を育てれば儲かるのか?」というのは、就農を目指す方にとって最大の関心ごとのひとつ。
ここでは、単価の高さ・収穫効率・市場性・ブランド化しやすさなどを踏まえ、比較的高収益を狙いやすい作物をランキング形式で紹介します。
※地域の気候や栽培技術、販売ルートによって収益性は変動するため、あくまで参考としてご覧ください。
🥇 第1位:マンゴー|高単価フルーツの代表格

マンゴーは、1玉数千円にもなる高級フルーツ。
とくに「完熟マンゴー」や「太陽のタマゴ(宮崎)」などブランド展開が成功しており、収穫量が少なくても高い収益が期待できる作物です。
ハウス内での温度管理や摘果など手間はかかりますが、その分リターンも大きいのが魅力。
贈答用・ふるさと納税・百貨店向けなど、ニッチ市場を狙える点でも優位性があります。
🥈 第2位:トマト|通年需要と技術革新で安定収益

施設栽培が進んでいるトマトは、周年での出荷が可能な作物の代表格。
単価はそれほど高くなくても、収量と回転率の高さにより、安定的かつ着実に利益を積み重ねられるのが特長です。
また、ミニトマトやフルーツトマトなど、付加価値のある品種を選べば単価アップも期待可能。
近年ではスマート農業との親和性も高く、省力化・自動化による収益最大化が進んでいます。
🥉 第3位:シャインマスカット|輸出・ギフト市場に強い果樹

甘くて種なし、皮ごと食べられるシャインマスカットは、国内外での人気が急上昇中。
1房2,000〜3,000円という高単価に加え、輸出や高級スーパー・贈答品市場でも需要があるため、収益性は非常に高い部類に入ります。
ただし、初期投資(棚、苗、施設)や技術の習得には時間がかかるため、中長期目線での投資回収を見込む必要があります。
第4位:ブルーベリー|観光農園・加工用で収益源を多角化

ブルーベリーは、比較的栽培しやすく、「観光農園(摘み取り体験)+加工品販売(ジャム・スイーツ)」という複合型収益モデルが構築しやすい作物です。
無農薬・オーガニックとの相性も良く、健康志向の高まりとともに人気が上昇中。
6次産業化を目指す方には特におすすめです。
第5位:アスパラガス|春先高単価+長期収穫で安定性◎

アスパラガスは、春先の需要が高く、単価が上がりやすい作物。
一度株を定着させれば、10年近く継続して収穫ができる多年草であり、労力の割に安定した利益が得られると評価されています。
栽培初期は手間がかかりますが、収穫期間が長く、収益の見通しが立てやすい点が魅力です。
💡 儲かる作物に共通する特徴とは?
儲かる作物には、以下のような共通点があります。
- 高単価 or 高回転(=量 or 単価どちらかで勝負できる)
- 付加価値化が可能(ブランド化・ストーリー性・加工展開)
- 安定した販路を確保しやすい(EC/ギフト/契約など)
作物選びの段階で、「誰に、どこで、いくらで売れるのか」をイメージしておくことで、収益化への道筋がぐっと現実的になります。
3. 儲かる農業ランキング【経営スタイル編】
「何を育てるか」も大切ですが、「どう育てるか」「どう売るか」こそが、農業で稼げるかどうかを左右するポイントです。
ここでは、収益性の高い“経営スタイル”に注目して、儲かる農業の手法をランキング形式でご紹介します。
🥇 第1位:観光農園・農業体験ビジネス

観光農園や農業体験を提供するスタイルは、単に作物を販売するだけでなく、“体験”そのものを商品化できる点が大きな魅力です。
たとえば:
- いちご狩りやブルーベリー摘み取り体験
- 子ども向けの農業学習ツアー
- 季節ごとの収穫祭や農泊
これらは1人1,000円以上での入園料収入が見込め、収穫物もその場で販売できるため、1作物で複数の売上を立てられるビジネスモデルになります。

🥈 第2位:直販+EC販売(オンライン販売)

JA出荷や市場経由ではなく、消費者に直接販売する「直販」は、利益率の高い販売方法として注目されています。
さらにSNSやネットショップ(BASE・Shopify・自社サイトなど)を活用すれば、地域を超えてファンを獲得することも可能です。
- 中間マージンを省き、販売価格=利益に直結
- 自分のブランドや想いをダイレクトに届けられる
- 顧客の声を直接受け取り、リピート販売につなげやすい
“売る力”を磨けば磨くほど、利益を高められるスタイルです。

🥉 第3位:農業×カフェ・加工品販売(6次産業化)

収穫した作物をそのまま売るのではなく、加工・提供して価値を高める「6次産業化」も、収益性の高いスタイルのひとつです。
たとえば:
- 自家製ジャム、スムージー、ドライフルーツ
- 農園併設カフェでランチやデザートを提供
- 地元ブランドとして土産物やギフト展開
「100円で売るはずの農産物が、1,000円の商品になる」ことも珍しくありません。
ストーリー性・デザイン性・食体験が重視される今、作る・加工する・届けるを一体化できる人には有利な経営モデルです。
第4位:契約栽培・企業向け卸

販路を事前に確保したうえで生産を行う契約栽培は、価格や納品先が安定している分、リスクを抑えて継続的に収益を得られるスタイルです。
- 学校給食/病院/飲食店チェーン/加工業者 などと直接契約
- 規格・納期・品質基準は厳しいが、安定収入が見込める
マーケティングが苦手な方や、堅実に経営したい方には向いている選択肢です。
第5位:農業承継による低コスト起業

農業承継は、すでにある農業経営(農地・設備・販路・顧客)をまるごと引き継いで始められるスタイルです。
ゼロから立ち上げるのと比べて、以下のようなメリットがあります。
- 初期投資を大幅に削減できる
- 売上が立つまでの時間を短縮できる
- 地域や顧客との関係性も継承できる
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「すぐに始めたい」「リスクを抑えて起業したい」という方にとって、農業承継は極めて合理的な選択肢です。
💡 「作る」だけじゃなく「どう売るか」が利益を分ける
農業は、生産だけを見れば“儲からない”かもしれません。
しかし、経営スタイルを工夫し、売り方を設計すれば、同じ作物でも大きな利益を生み出すことができるのです。
4. 儲かる農業に共通する3つのポイント

「儲かる農業って特別な才能や経験が必要なのでは?」と思う方もいるかもしれませんが、実際にはいくつかの共通した“考え方”と“仕組み”を押さえているかどうかがカギになります。
ここでは、作物やスタイルに関わらず、高収益を実現している農家が実践している3つの共通点をご紹介します。
ポイント①|【高単価】「価格競争に巻き込まれない作物・市場を選ぶ」
大量生産・低価格競争の世界では、小規模な農家が勝ち残るのは至難の業。
だからこそ、「価格で勝負しない」農業戦略が重要です。
高単価で売れる作物・販売方法の例:
- シャインマスカットやマンゴーなどのギフト用果樹
- 無農薬・自然栽培などこだわりが光るブランド野菜
- 飲食店や直販で「味の違い」が評価される作物
「誰に、どんな価値を届けるか」を明確にし、“こだわり=価格”で伝えられる設計をすることが収益性につながります。

ポイント②|【差別化】他と違う“強み”をストーリーで伝える
儲かっている農家ほど、作物そのものだけでなく、「農家の人柄」「想い」「育て方」まで含めて“ブランド化”しています。
たとえば:
- SNSで成長記録や収穫の裏側を見せる
- パッケージに育てた人の顔やストーリーを載せる
- 自分たちだけの栽培方法や品種を強みにする
これにより、「どれを買っても同じ」ではなく、「あなたから買いたい」と思ってもらえる差別化が実現します。これは直販・EC・観光農園など、どの販売手法でも非常に効果的です。
ポイント③|【販路戦略】“売れる場所”を先に確保する
「育てたけど売れなかった」「思ったより安くしか売れなかった」――
そんなリスクを防ぐために重要なのが、作る前に“売る場所”を決めておくことです。
儲かる農家は、以下のような販路戦略を立てています:
- 飲食店・加工業者との契約を確保してから栽培開始
- 地元の直売所・ふるさと納税など複数ルートを確保
- SNSやECサイトを活用し、自社顧客を増やす
- 観光農園や体験事業で収穫と販売を同時に行う
「育てながら売り方を考える」のではなく、最初から“売り方を含めた農業”として設計することが、収益化への最短ルートです。
💡「作物」より「仕組み」で利益は決まる
儲かる農業の本質は、「何を育てるか」だけではありません。
“どう売るか”“どう差別化するか”“どう単価を上げるか”という戦略こそが、利益を生み出すカギなのです。
5. 初期投資を抑えて儲けるなら「農業承継」もおすすめ

儲かる農業を実現するには、高単価の作物や経営戦略と並んで「いかに初期コストを抑えるか」も極めて重要な視点です。
なぜなら、高収益が見込める作物ほど、施設や設備への投資が必要になる傾向があるからです。
そこで、ぜひ知っておきたいのが「農業承継」というスタートの方法です。
5-1. 農業承継とは?
農業承継とは、高齢化や後継者不在により事業継続が難しくなった農家から、農地や設備、販路、技術などを引き継ぎ、新たに農業を始める方法です。
つまり、ゼロから設備投資や土地探しをするのではなく、すでに確立された農業基盤を引き継いで起業する仕組みです。
5-2. なぜ「儲かる農業」と相性がいいのか?
儲かる農業は、作物の質だけでなく、設備やノウハウ、販路が揃って初めて利益につながります。
農業承継では、以下のようなリソースを受け継げるため、収益化までの時間とコストを大きく短縮することが可能です。
- トラクターやハウス、収穫機などの初期設備
- 地域に根ざした販売ルート・取引先
- 長年蓄積された作物ごとの栽培ノウハウ
- 地域とのつながりや信頼関係(=事業継続の土台)
なかには、「使ってくれるなら農地・機械は無償でいい」という譲渡希望者も少なくありません。
5-3. FARMLINKで実現する、現実的な農業スタート
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- 直接交渉や見学・体験が可能。将来の“引き継ぎ先”として具体的に検討できる
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「いきなり大きな借金をして農業を始めるのは不安…」という方にとって、FARMLINKは“現実的な第一歩”を踏み出すための手段として最適です。
5-4. 初期投資を抑えて、経営に集中できる
高収益作物を扱うには、環境制御や販路管理など、“経営者としての判断”にエネルギーを注ぐことが必要です。
農業承継によって初期整備にかかる時間とコストを最小限に抑えることで、就農1年目から「儲かる農業」の仕組みづくりに集中することができます。
💡 「何から始めるか」ではなく「どこから引き継ぐか」という選択肢
農業をビジネスとして始めるうえで、「1から始める」か「誰かの事業を引き継ぐか」は大きな分かれ道です。
とくに初期費用を抑えて、収益性の高い農業を目指すなら、農業承継は“堅実かつ効率的な道”として、今後ますます注目されるはずです。
6. まとめ|賢く始めれば、農業は“稼げる仕事”になる
「農業=儲からない」というイメージは、もはや過去の話です。
実際には、作物の選び方や売り方、経営スタイル次第でしっかりと利益を出している農家は全国に数多く存在しています。
本記事で紹介したように、儲かる農業にはいくつかの共通点があります。
- 高単価で売れる作物を選ぶこと
- 観光農園やEC販売、加工品展開など、販売までの仕組みを工夫すること
- “誰に、どう売るか”を事前に設計しておくこと
さらに、初期投資の壁をクリアするためには、補助金や融資の活用だけでなく、「農業承継」というスタート方法を視野に入れることも有効です。
農業は、自然を相手にする難しさがある一方で、自分の工夫や努力がダイレクトに収益へとつながる“挑戦しがいのある仕事”です。
「何を育てるか」だけでなく、「どう育てて、どう届けるか」までをデザインできるあなたなら、農業をしっかり“稼げるビジネス”に変えることができるはずです。
賢く情報を集めて、正しく準備をして、あなたの理想の農業ライフを現実のものにしていきましょう。